新型コロナに学ぶ社会問題の考え方

今回のコロナ騒動は、考える力が試される機会でもあります。

テレビを見ていると、現在の大人の社会にその力があるかというのは疑問ですが・・・。

GSやSDGsなどの社会問題系のテーマを研究する中学・高校生も多いですが、反面教師として学んで欲しいものです。

 

コロナの感染を抑えるために、自粛要請と休業補償が話題になることが多いですね。

補償がなければ休業できないという言い分はもっともですし、なぜ政府がそれをしないのかという不満も理解できます。

テレビを見ていると、「有識者」とか「専門家」が気軽に補償すべきという発言をしますが、その是非をリアルに想像してみましょう。

 

日本の国内総生産(GDP)、つまり1年間の経済活動で産み出される利益の合計は500兆円くらいです。

平均すると月に40兆円くらいですが、仮に全ての業種が休業して自粛すれば生じる損害と私は理解しています(素人なので間違っているかもしれませんが)。

日本の年間の税収は60兆円で、現在の10%の消費税で稼げるのは1年間で20兆円ほどらしい。

つまり経済活動を全て1ヶ月止めて、その損害を全額補償すると、消費税を1年間30%にしないと回収できないわけです(消費が減らないというあり得ない仮定で)。

消費税を3-5%上げるだけでも凄い反対が起きる現状で、気前よく補償できる訳が無いですね。

もちろん実際には、自粛で損失が出なかったり、逆に儲かっている企業や業種もあるので、毎月40兆円が必要ということはないと思いますが・・・。

 

「春になったら・・・」「夏になったら・・・」という季節要因が全て否定されてしまった以上、新型コロナの脅威が終息するシナリオは、有効なワクチンが開発されて行き渡ることが最短かと思われます。

有効で安全なワクチンの完成は年末か来年が最短だというWHO関係者の話もありますので、今年いっぱいで終息するという楽観的過ぎる計算でも、緊急事態宣言の開始から9ヶ月間くらい・・・?

税金はもちろん消費税だけではないですが、実感しやすいように消費税のみで賄うとして、

みなさんは何%の消費税増税を何年間続けても良いと思われますか?

信用が無い政治家達が言うと軽く聞こえますが、「経済が破綻する」というのは非常にリアルな話なのです。

 

新型コロナを放置するブラジルやスウェーデンの方針は馬鹿げているようにも見えますが、補償もせずに休業を要求するのも、多くの人生に致命的な影響を与えます。

損害を手厚く補償すれば、その凄まじい金額を近い将来に返さなければなりませんし、その過程で致命的な影響を受ける人も少なくないでしょう。

(貧困で人が死なないと考えるのはムリがあります)

どれがベストの選択なのでしょうか?

 

コストや犠牲を伴わない理想的な解決方法があれば素晴らしいですが、現実の社会問題ではほとんどあり得ないでしょう。

安請け合いできないレベルの究極の選択(どっちを選んでも人の命に関わる)も多いです。

せっかく中学・高校生で社会問題に取り組むのであれば、リアルに状況を解析して議論して、将来のために実力を磨いてください。

「頭の良い誰かが解決してくれる」と考えると、今の僕らのような大人にしか成れませんよ?

 

ちなみに、新型コロナウイルスが人類の脅威になる最後の病気であるとは考えられません。

新型コロナも怖いですが、2-3年後にエボラウイルスくらいの脅威がパンデミックしたら・・・?

もはやロックダウンする経済体力も残っていないと思いますが・・・、今の新型コロナでこの先10-20年回復できないくらい経済力を使い果たすべきなんですかね・・・?

1億2千万人の人口が居る国で、1日何人の感染者でロックダウンするか?

むしろ重症者や人工呼吸器の使用状況で決めるべきではないのか?

色々と考える題材がありますよ〜。

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