防御と共生の進化

防御と共生の進化

防御と共生の進化 1

2011年にシロイヌナズナのAtCERK1とミヤコグサのNFR1の比較で、共生応答の誘導に重要なYAQ配列を同定しました (植物の敵と味方 〜承〜)。しかしマメ科植物の根粒菌共生に関わると思われたこの配列は、実はAM菌共生する大部分の植物の...
防御と共生の進化

防御と共生の進化 2 〜コケ研究の利点1〜

ちなみに私は無知で不勉強だったので、フタバネを始める前は「植物は大きく分けて単子葉植物と双子葉植物に分かれる」などと思っていました。 だから双子葉植物のモデルであるシロイヌナズナと、単子葉植物のモデル(?)であるイネの研究基盤が整備されてい...
防御と共生の進化

防御と共生の進化 3 〜コケ研究の利点2〜

ヒメツリガネゴケの研究は90年代には開始されており、早くからモデルコケ植物としての確固たる地位を築いていました。もちろんコケ植物の進化的な重要性もありますが、最近まで不可能だった遺伝子を狙い撃ちで破壊するジーンターゲッティングが可能だったこ...
防御と共生の進化

防御と共生の進化 4

さて、フタバネゼニゴケ(Marchantia paleacea subsp. diptera)の話に戻ります。近縁のゼニゴケ(Marchantia polymorpha)は大量の胞子を作るので、それを使って低頻度でしか起こらないジーンターゲ...
防御と共生の進化

防御と共生の進化 5

フタバネゼニゴケは、期待したとおりAM菌共生とキチン防御応答の能力を備えていました。それではCERK1を持っているのでしょうか? 当然ながら誰もゲノム配列を調べたことが無い生物なので、自分で明らかにするしかありません。そこで東京農工大学にお...
防御と共生の進化

防御と共生の進化 6

フタバネゼニゴケは1コピーのCERK1遺伝子を保持していました。マメ科植物の研究で見つけた共生応答の起動に重要なYAQ/YAR配列(植物の敵と味方 〜承〜、〜転〜 3)の有無を調べてみると、このフタバネゼニゴケのMpaCERK1に見事に保存...
防御と共生の進化

防御と共生の進化 7 end

フタバネゼニゴケに胞子を形成させることができません。そして胞子が無いと、フタバネゼニゴケが持っているCERK1を破壊することができません。このプロジェクトのゴールが「コケのCERK1に防御と共生の二重機能が保持されているか?」なので、CER...