植物の敵と味方 〜序〜 1

植物の敵と味方

根粒菌共生の概要での解説しましたが、根粒菌が共生するマメ科植物は窒素栄養の乏しい土壌でも旺盛に生育できます。また陸上植物の大部分が共生するアーバスキュラー菌根菌(AM菌)は、土壌中からリン酸などの無機養分を集めて宿主に供給します。したがって相利共生は宿主に大きな利益をもたらします。これらの相利共生で宿主植物は、根の組織だけではなく細胞内に微生物パートナーを受け入れて共生します。

 

一方で環境中には共生しない微生物の方が圧倒的に多いと推測されます。その中には病原菌などの「悪意のある微生物」も含まれるでしょう。病原菌は巧妙な感染手段を備えており、しかも進化が早いです。共生の宿主植物は、これらの病原菌の感染を防ぎながらも共生菌を受け入れなければなりません。私は大学院生活の終わり頃から、この問題に興味を持っていました。

植物の敵と味方 〜序〜 2

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