真核生物>ディアフォレティケス>アーケプラスチダ>緑藻植物>広義のボルボックス目
コロコロと転がるように泳ぐボルボックスに魅力を感じる人は多いのではないでしょうか?
ボルボックスは500以上の細胞が球の表面に配置されている藻類で、球の内部は空洞になっており、次世代のボルボックス(子ボル)が数個格納されています。
ボルボックスの個々の細胞は、単細胞のクラミドモナスと類似しています。
実際にゲノムからもクラミドモナスはボルボックスと同じ目に分類されます。
クラミドモナスは2本の鞭毛を平泳ぎのように使って前(鞭毛のある方向)に泳ぎます。
ボルボックスも個々の細胞の鞭毛が全体を動かしているのですが、さすがにバラバラに平泳ぎしているのではなく、全体が協調して複数の移動パターンを示すようです (東京工業大学の発表)。
同じボルボックス目には500個以上の細胞が集まっているボルボックス以外にも、単細胞のクラミドモナス、細胞が4つのシアワセモ、細胞が8または16のゴニウム、16または32のユードリナ、64または128のプレオドリナなどが知られています (詳細は東京大学にいらっしゃった野崎久義博士のレビューを参照してください)。
細胞が多くなるにつれて平面から球面、細胞の役割分担などが見られますので、あたかも「ボルボックスが進化した過程」を見たような気分になります。
ただし、共通の祖先から進化したといっても、共通の祖先と現在のクラミドモナスが同じか判らないですし、クラミドモナスを高密度で培養してもゴニウムやプレオドリナなどになることはありません。
そもそも「クラミドモナス」「ゴニウム」「ユードリナ」「プレオドリナ」「ボルボックス」は、現存の種に対して付けられた名前です。
「クラミドモナスからボルボックスが進化した」などと言うと笑われますのでご注意ください。
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