植物の敵と味方 植物の敵と味方 〜序〜 3 基礎的防御応答は、植物細胞の表面でセンサーの役割を果たしている受容体によって起動されます。この中でもっとも有名なのが、細菌の鞭毛を感知するFLS2と呼ばれる受容体だと思います。鞭毛は泳ぐための装置なのですが、FLS2はフラジェリンと呼ばれる... 2018.11.07 植物の敵と味方
旅行記 エジプト訪問記〜発表の追記〜 英語発表ですが、私は原稿を書かないことで、緊張せずに発表できるようになりました。ただ、おそらくは酷い英語を話しているでしょうし、もっと上のレベルを目指して上達しなければなりません。その方法も見当がついています。それは・・・原稿を書くことです... 2018.12.10 旅行記
植物の敵と味方 植物の敵と味方 〜序〜 4 植物のLysM型受容体キナーゼは、2003年に同定されたマメ科植物のNFR1が最初だと思います。NFR1の果たす役割は絶大で、ミヤコグサのnfr1変異体はパートナーの根粒菌に対してほとんど応答しなくなってしまい、根粒菌は全く受け入れられませ... 2018.11.08 植物の敵と味方
オススメの本や便利グッズ 面白植物の購入など 百聞は一見に如かずです。実際に購入して心ゆくまで調べることをオススメしますよ〜。下記はAmazonや楽天、その他のサイトで販売されている植物や肥料などの紹介です。sdユーフォルビア 子吹きシンメトリカ 多肉植物 コーデックス 7.5cmポッ... 2018.11.17 オススメの本や便利グッズ
植物の敵と味方 植物の敵と味方 〜起〜1 みなさんは、自分が運の良い方だと思いますか?私はその点は全く自信がありません。ボスや渋谷先生から提示されたのは、「ミヤコグサのNFR1以外のLysM型受容体をRNAiで発現抑制して共生への影響を調べる」でしたが、これはRNAiで変化が観察さ... 2018.11.13 植物の敵と味方
植物の敵と味方 植物の敵と味方 〜起〜2 Nodファクター受容体であるNFR1は、キチンを受容して防御応答を発動させるCERK1と非常によく似ています。その上で私の研究により、NFR1には防御応答を起動する能力があることが判明しました。NFR1もCERK1も、細胞外でそれぞれNod... 2018.11.13 植物の敵と味方
植物の敵と味方 植物の敵と味方 〜承〜 NFR1とAtCERK1のキナーゼは、アミノ酸配列が類似していますが、NFR1だけに共生応答を起動する能力がありました。ということは、NFR1の共生能力はAtCERK1とのわずかな違いで決まっているはずです。そこでNFR1の配列を部分的にA... 2018.11.15 植物の敵と味方
生徒達の研究 キンシャチ(サボテン) Echinocactus grusoniiサボテンの水吸収の工夫横屋稜さん第81回日本植物学会高校生発表 優秀賞サボテンのトゲは、葉の変形物だというのは有名な話です。サボテンを見ながら横屋さんと話している時に、それではサボテンのトゲの生えて... 2018.11.10 生徒達の研究
植物の敵と味方 植物の敵と味方 〜転〜 1 シロイヌナズナは研究が圧倒的に進んでいる植物で、ここで発見された知見が多くの植物でも利用されます。シロイヌナズナの知見は、植物全体を代表するという考え方が当時は主流でした(今でもその傾向は強いと思いますし、実際に他の植物研究に対する貢献度は... 2018.11.16 植物の敵と味方
植物の敵と味方 植物の敵と味方 〜転〜 2 アーバスキュラー菌根菌(AM菌)は糸状菌(カビ)で、菌糸の一端は根に感染して、植物細胞の中に樹枝状体という構造を作ります。菌糸の大部分は根の外側の土壌中に広がっており、土壌中からリン酸などの無機養分を集めて、それを樹枝状体で植物に渡して、そ... 2018.11.26 植物の敵と味方
植物の敵と味方 植物の敵と味方 〜転〜 3 CERK1がAM菌共生に関わっている可能性が浮かび上がって来ました。これを確認するためには、CERK1が壊れた植物でAM菌共生を調べるのが王道です。シロイヌナズナではCERK1が壊れた変異体を渋谷先生達が単離していたのですが、残念ながらナズ... 2018.11.27 植物の敵と味方
植物の敵と味方 植物の敵と味方 〜結〜 植物の基礎的防御応答を制御することが知られているOsCERK1が、正反対の共生菌を受け入れる機能も担っていることを私達は明確に証明しました。類似した報告は、少なくとも植物業界では全く存在しません。しかもイネ以外の多くの植物でも同様の仕組みに... 2018.11.27 植物の敵と味方
植物の敵と味方 植物の敵と味方 〜その後〜 2014年の私達のOsCERK1の論文が出てすぐに、イタリアのMycファクターの存在を2007年に示したグループから接触がありました。彼らは2013年にAM菌の共生シグナルはNodファクターにそっくりなMyc-LCOと呼ばれる分子ではなく、... 2018.11.29 植物の敵と味方
未分類 胡蝶蘭の根 先日に胡蝶蘭の根を初めて見ましたが・・・、衝撃をうけました。なんとクモランと同じく緑色なんですね。調べてみると胡蝶蘭も着生植物だそうです。クモランの性質を考えると、やっぱり光合成をしているのでしょう。そのうちにクモランを研究している佐藤潤苑... 2018.11.03 未分類
Ph.Dコラム アイデアの源泉3:実際に観察する 多くの人が最初にwebでアイデアを探すと思いますが、ネット上の情報というのは、それを掲載した人によって取捨選択が行われた後のものです。その人が重要だと思わなかったり、気が付かなかったことは省かれてしまいますよね。そして、残った情報には新奇性... 2018.11.03 Ph.Dコラム
未分類 クモラン 今年の生徒の研究テーマで、根で光合成する植物の研究を指導しています。先日に佐賀大学の辻田有紀先生の研究室のご協力で、静岡県にクモランの採取に行ってきました。この植物はランの一種で、 葉が無い 根で光合成する CAM植物 着生植物という突っ込... 2018.10.22 未分類
Ph.Dコラム アイデアの源泉2:本質を見抜く訓練 出会いが偏っているのかもしれませんが、「社会の役に立つ研究をしたい人」よりも、「好奇心で研究する人」の方が論理的で鋭い人が多いと私は感じます。義務感よりも好奇心の方が原動力として強いと思いますし、深く考える習慣も身につきやすいでしょう。私に... 2018.10.16 Ph.Dコラム
Ph.Dコラム アイデアの源泉1:異端の重要性 一般に認知されているような多くの課題・社会問題は、多くの優秀な人達が既に取り組んでいます。それでも解決できないモノに、次の世代の人達が挑戦します。先人達と全く同じような教育を受けて、同じようなアプローチで解決するとすれば、過去の先人達の才能... 2018.10.11 Ph.Dコラムアイデアの見つけ方
Ph.Dコラム くまさんの輝き 今朝のNHKのニュースで、熊本県農業試験センターで開発された新しい米の品種「くまさんの輝き」が紹介されていました。この品種は高温でも品質の高い米が獲れるというのがウリで、九州などでの栽培に向いているとのことです。この「くまさんの輝き」は、強... 2018.10.04 Ph.Dコラム
Ph.Dコラム ノーベル賞 今年のノーベル医学生理学賞に京都大学の本庶佑博士が選ばれました。毎年のように受賞する期待が高かった方です。ご研究内容の方は、私にとっては専門外なこともあって詳しくはないですが、近年の高額だが効き目の高いオプジーボ(ニボルマブ)の開発につなが... 2018.10.02 Ph.Dコラム