中川知己

旅行記

エジプト訪問記〜3〜 初日

飛行機を乗り継いでようやくエジプトに到着しました。ヘロヘロになりながらwelcome dinnerを終えて宿にたどり着いて寝ました。 朝早くに目覚めてホテルの中を散歩したのですが、涼しくて快適です。ホテルには緑が多いのですが、もちろん乾燥地...
防御と共生の進化

防御と共生の進化 3 〜コケ研究の利点2〜

ヒメツリガネゴケの研究は90年代には開始されており、早くからモデルコケ植物としての確固たる地位を築いていました。もちろんコケ植物の進化的な重要性もありますが、最近まで不可能だった遺伝子を狙い撃ちで破壊するジーンターゲッティングが可能だったこ...
旅行記

エジプト訪問記〜4〜 ハエ

初めてのアフリカ訪問で、出発前に懸念していたことの1つに虫が媒介する伝染病があります。以前に友人(ポッチャリ体型)がマラリアにかかったのですが、再会した時は完治してから半年以上経っていたにもかかわらず、ガリガリに痩せていて衝撃を受けました。...
防御と共生の進化

防御と共生の進化 4

さて、フタバネゼニゴケ(Marchantia paleacea subsp. diptera)の話に戻ります。近縁のゼニゴケ(Marchantia polymorpha)は大量の胞子を作るので、それを使って低頻度でしか起こらないジーンターゲ...
旅行記

エジプト訪問記〜5〜 自分の発表

学会2日目、自分の発表がある日です。 私はこれまで何度か海外で口頭発表をしたことがあるのですが、もの凄く苦労してきました。もともとは日本語の口頭発表も苦手だったのですが・・・。 昨年にドイツのMax Planck研究所で発表の機会を頂いたの...
旅行記

エジプト訪問記〜6〜 ナイル川

自分の発表が終わったので、後は楽しむだけです? 学会の翌日の早朝から、ルクソールのツアーに参加してきました。もちろんヨーロッパなどの他の参加者と交流を深めるための、純粋な業務としてですよ!? 上のgoogle写真の右上がハルガダ、真ん中の矢...
防御と共生の進化

防御と共生の進化 5

フタバネゼニゴケは、期待したとおりAM菌共生とキチン防御応答の能力を備えていました。それではCERK1を持っているのでしょうか? 当然ながら誰もゲノム配列を調べたことが無い生物なので、自分で明らかにするしかありません。そこで東京農工大学にお...
旅行記

エジプト訪問記〜7〜ルクソール

学会で参加者同士の親睦を深める業務で、ルクソールのカルナック神殿を訪問しました。カルナック神殿は3000年前くらいに立てられたそうで、ガイドをしてくれたカイロ大学の教授のお話を聞いていると、なんとスフィンクスが2-30体も配置されているそう...
防御と共生の進化

防御と共生の進化 6

フタバネゼニゴケは1コピーのCERK1遺伝子を保持していました。マメ科植物の研究で見つけた共生応答の起動に重要なYAQ/YAR配列(植物の敵と味方 〜承〜、〜転〜 3)の有無を調べてみると、このフタバネゼニゴケのMpaCERK1に見事に保存...
旅行記

エジプト訪問記〜8〜ピラミッド

エジプトでギザのピラミッドを観光してきました。「ただの石作りの山でしょ?」としか思っていなかったのですが、実際は凄まじいスケールで迫力があります。
自分の研究紹介

大学院研究の概要

根粒菌共生はマメ科植物でのみ成立しますが、その理由としては 非マメ科植物に共生に必須の遺伝子がそもそも存在しない 遺伝子は持っていても、根粒で発現させることができない という2つのパターンが考えられます。私達は2のパターンについて研究を行い...
旅行記

エジプト訪問記〜9〜end

ピラミッド観光の後は、行きと同じように中国経由で日本に帰り着きました。初のエジプトどころか、初アフリカ、初イスラムだったので、色々なものに驚かされましたし、考えさせられました。 1. 賄賂(わいろ)という概念 日本以外の国だと普通だという話...
防御と共生の進化

防御と共生の進化 7 end

フタバネゼニゴケに胞子を形成させることができません。そして胞子が無いと、フタバネゼニゴケが持っているCERK1を破壊することができません。このプロジェクトのゴールが「コケのCERK1に防御と共生の二重機能が保持されているか?」なので、CER...
植物の敵と味方

植物の敵と味方 〜序〜 1

根粒菌共生の概要での解説しましたが、根粒菌が共生するマメ科植物は窒素栄養の乏しい土壌でも旺盛に生育できます。また陸上植物の大部分が共生するアーバスキュラー菌根菌(AM菌)は、土壌中からリン酸などの無機養分を集めて宿主に供給します。したがって...
植物の敵と味方

植物の敵と味方 〜序〜 2

そもそも植物はどのように病原菌を排除しているのでしょうか? 植物というと病気に弱いイメージをお持ちの方が多いと思いますが、実は病気を起こせる微生物というのは相当なエリートです。ある植物に対しては病気を起こせる微生物も、違う種や品種には感染で...
植物の敵と味方

植物の敵と味方 〜序〜 3

基礎的防御応答は、植物細胞の表面でセンサーの役割を果たしている受容体によって起動されます。この中でもっとも有名なのが、細菌の鞭毛を感知するFLS2と呼ばれる受容体だと思います。 鞭毛は泳ぐための装置なのですが、FLS2はフラジェリンと呼ばれ...
旅行記

エジプト訪問記〜発表の追記〜

英語発表ですが、私は原稿を書かないことで、緊張せずに発表できるようになりました。ただ、おそらくは酷い英語を話しているでしょうし、もっと上のレベルを目指して上達しなければなりません。その方法も見当がついています。 それは・・・ 原稿を書くこと...
植物の敵と味方

植物の敵と味方 〜序〜 4

植物のLysM型受容体キナーゼは、2003年に同定されたマメ科植物のNFR1が最初だと思います。NFR1の果たす役割は絶大で、ミヤコグサのnfr1変異体はパートナーの根粒菌に対してほとんど応答しなくなってしまい、根粒菌は全く受け入れられませ...
オススメの本や便利グッズ

面白植物の購入など

百聞は一見に如かずです。 実際に購入して心ゆくまで調べることをオススメしますよ〜。 下記はAmazonや楽天、その他のサイトで販売されている植物や肥料などの紹介です。 sdユーフォルビア 子吹きシンメトリカ 多肉植物 コーデックス 7.5c...
植物の敵と味方

植物の敵と味方 〜起〜1

みなさんは、自分が運の良い方だと思いますか? 私はその点は全く自信がありません。 ボスや渋谷先生から提示されたのは、「ミヤコグサのNFR1以外のLysM型受容体をRNAiで発現抑制して共生への影響を調べる」でしたが、これはRNAiで変化が観...