中川知己

自己紹介

略歴

1994年 兵庫県立高砂南高校卒業 1994〜1998年 兵庫県立姫路工業大学理学部(現・兵庫県立大学) 1998〜2003年 京都大学大学院農学研究科 (2003年 博士(農学)取得) 2003〜2006年 東京大学理学研究科研究員 (2...
Ph.Dコラム

評論家よりもプレイヤー

サッカーの日本代表の戦いが終わりましたね。試合は見れなかったのですが、選手などのコメントを見ると、悔しさと共に満足感や充実感があるようです。プレッシャーや無責任な批判などに曝されながらも、彼らは全てを賭けて戦って予選やグループリーグを勝ち抜...
自己紹介

研究業績

学位論文 「マメ科植物の根粒におけるホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(PEPC)の発現調節および活性調節機構の解析」修士論文・平成12年3月23日・京都大学大学院 「マメ科植物の根粒におけるホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(...
自己紹介

指導した高校生の活躍

第86回日本植物学会 最優秀賞 帰山凜咲「オオサンショウモは不思議な形の毛で水に浮かぶ」 令和5年度スーパーサイエンスハイスクール生徒研究発表会 文部科学大臣賞 「オオサンショウモは不思議な形の毛で水に浮かぶ」 第64回日本植物生理学会年会...
自己紹介

ガタカ(ネタバレご注意)

ガタカ (字幕版) ガタカ “You are the authority on what is not possible, aren't you?” テレビやインターネットの情報や同級生などとの比較から、色々なものを諦めている人が多いように...
自分の研究紹介

植物の敵と味方 概要

マメ科植物は病原菌を排除しながらも根粒菌を受け入れます。病原菌は進化が早く、さらに巧妙な感染手段を色々と備えているのですが、マメ科植物はどのようにして病原菌を排除と根粒菌共生を両立させているのでしょうか? 根粒菌が分泌する共生シグナルのNo...
自己紹介

私の大学生活-1

私は中学生くらいの頃からだと思いますが、「砂漠を緑化したい」と考えていました。生物が好きだったので「バイオテクノロジー」を利用した緑化です。しかし進学した高校は勉強が盛んではなかったせいか、1クラスしかない理系コースは物理・化学必修でした・...
根粒菌共生はなぜマメ科だけ?

大学院研究(1) 根粒菌共生はなぜマメ科だけ?

根粒菌の共生は農業的に重要なのですが、マメ科植物にほぼ限定されています。窒素栄養自体は全ての植物で必要で、そのために我々は大量の化石燃料を消費して肥料として投入します。一方で局所的に投与した窒素栄養は消費しきれずに河川に流出して、藻などの繁...
根粒菌共生はなぜマメ科だけ?

大学院研究(2) 根粒で高発現する遺伝子

大学院で師事していた先生は、ダイズ(Glycine max)の根粒で高発現するPEPCであるGmPEPC7と、全ての組織で非常に弱く発現するGmPEPC15を同定していました。後者のタイプはマメ科以外でも見つかりますが、他の植物には根粒が無...
根粒菌共生はなぜマメ科だけ?

大学院研究(3) ダイズ根粒でプロモーター解析

根粒で高発現するGmPEPC7と全ての組織で弱く発現するGmPEPC15は、そのプロモーター領域に差があると推測されます。そこでGmPEPC7のプロモーターを少しずつ改変して、それをダイズに導入して根粒での発現を調べる戦略を私達は採用しまし...
根粒菌共生はなぜマメ科だけ?

大学院研究(4) 補足ーダイズの形質転換

生物に人工的に遺伝子を導入することを「遺伝子組換え」と呼びます。このトピックス自体は政治的・宗教的にも色々と議論を引き起こしますので、ここでは詳しく書きませんが、1つだけ留意していただきたい事実があります。我々研究者は動物や植物の遺伝子組換...
自分の研究紹介

防御と共生の進化 概要

自然界で植物は様々な病原菌に狙われており、それに対抗して複雑な防御メカニズムを展開しています。たとえば糸状菌(カビ)は10万種以上知られていますが、この中でイネに加害できるのは約50種に過ぎず、さらに深刻な被害を起こせるのは10種以下だと言...
生徒達の研究

ガマ

Typha latifolia ガマの葉の空洞は空気を地下に送るパイプライン 田代海渡さん 第58回日本植物生理学会年会高校生生物研究発表会 最優秀賞 横浜サイエンスフロンティア高校には、ビオトープと呼ばれる自然環境を保全した小さな水路があ...
自己紹介

私の大学生活-2

ここではちょっと大学でのプライベートな生活の話を書こうと思います・・・・とは言っても、あまり華やかなものでは無いですが。 私は大学3年の終わりまでは自宅から通っていました。あまり集団行動が好きではなかったので、部活やサークルには入りませんで...
生徒達の研究

オブツーサ-1

a8adscript('body').showAd({"req": {"mat":"2ZL31X+4784FM+DFC+HUSFL","alt":"商品リンク","id":"3bfbSOq-g7-qWVcoKU"},"goods": {"e...
自己紹介

私の大学生活ー3〜研究室選び〜

ここでは一般には馴染みの薄いであろう「研究室」について書きます。文系は知りませんが、理系の場合は3年生の終わり頃から研究室に配属されて卒業研究に取り組みます。  多くの人は研究室を、主宰する教授の先生の人柄や研究内容を参考に選ぶことが多いで...
自己紹介

感想・ご意見など

お気軽にコメントやご意見、質問等をいただければと思います。
根粒菌共生の解説

マメ科植物ー根粒菌共生の概要

生物の体は基本的にタンパク質で構成されています。タンパク質はアミノ酸(全部で20種類)が一列に数十から数千個並んだもので、1分子のアミノ酸には必ず窒素原子(N)が1個以上使われています。また、アミノ酸の配列などの情報を記したゲノムは、DNA...
根粒菌共生の解説

根粒菌の感染〜根粒形成

土壌細菌である根粒菌は、マメ科植物の根の根毛から感染して、根の維管束近くの皮層細胞に導かれます。 根粒菌が根毛の先端に付着すると、根毛は変形(カーリング)します。カーリングした内側では、根粒菌が増殖を始めて、しばらくすると根毛の細胞の細胞膜...
根粒菌共生の解説

至れり尽くせりの根粒菌? その1

原核生物が大気中の窒素ガス(N2)をアンモニア(NH3)に変換できるのは、ニトロゲナーゼと呼ばれるタンパク質のおかげです。ニトロゲナーゼは大量のエネルギーが必要な一方で、酸素に非常に弱いという弱点があります。 生物が効率良くエネルギーを生み...