研究のヒントなど

アイデアの見つけ方

百聞は一見に如かず

机上で考えても詰め切れない時は、可能ならば手掛かりとなった事象を実際に徹底的に観察しましょう。パソコンや本から得られる情報は、事象の一部を他人が切り取ったモノですよね? その人が重視しない情報とか、もしかすると矛盾する情報などは削ぎ落とされている可能性もあります。

 

普通の勉強も大切

非常識や矛盾を見つけるためには、常識や“当たり前”に対する知識が無ければなりません。私は高校生や中学生が単純に、「大学生になればできる先生の研究のお手伝い」を先取りすることが重要だとは思えません。中学や高校の普通の授業で習うものに一部は無駄なものが含まれているだろうことも理解しますが、大部分の内容は大切なのです。普通の授業で習った知識を自分の頭でしっかりと考えて、他に習ったり知っている知識と比較して矛盾を感じたら、そこから「研究」が始まります。学校で習う内容は実社会に役に立たないという人も居ますが、そのままだと意味は無くても、要諦や真髄を掴めば応用できたりします。私は“方程式”や微分積分、三角関数程度ですが、数学で学んだ概念が数学以外のところで役に立っています。(他は上手く応用できていないですが・・・)
 

基礎研究は趣味の研究であり、応用研究こそが社会の役に立つ研究??

研究の資金は税金に頼ることが多いですから、社会の役に立つことを意識するのは当然のことです。ただ、「社会の役に立つ」について誤解している人が多いと感じます。
大部分の応用研究は数多くの基礎研究の上に立っており、いきなり成功する訳ではありません。例えばダーウィンの進化論ですが、当時の社会に役立ったと思いますか? しかし現代では当然ながら、あらゆる分野の基礎概念として重要な役割を果たしています。数多くのノーベル賞学者も警鐘を鳴らしていますが、基礎研究が衰退すれば、応用研究は滅びます。もちろん今すぐ解決できる問題に取り組むことも重要ですが、今は役立たなくても将来の問題解決のヒントとなるかもしれない研究も大切なのです。

特に中学・高校生の人達に考えて欲しいのは、「自分がどのような段階にあるのか?」です。今すぐ社会の問題を解決するような画期的で新しいアイデアがあるなら、是非とも取り組んで下さい。しかし役に立つ気分は味わえるけど、実際には・・・という研究をするくらいなら、新奇性のある基礎研究をオススメします。自分の興味が持てることに一生懸命取り組んで、その過程でホンモノの実力を付ければ、将来に本当に役立つ成果を挙げるかもしれません。上の図は「研究開発した成果」を表していますが、個人の実力についても同じです。応用研究を成功させる実力は、応用研究とは関係ないところで培った知識や経験の上に立っていることも珍しくないと思います。

 

 

自分のことが嫌いな人の視点で

研究は客観的に納得できるものでなければなりません。自分の友人や味方の人達しか受け入れてくれないものは、「科学」ではないのです。証明の仕方やデータの出し方は、自分のことが嫌いな人でさえも納得せざるを得ないものにしなければなりません。
そのためには・・・・
自分が自分の研究にとって、もっともイヤな人間になりましょう。
「自分なら、自分の研究に対してどのようにケチを付けるか?」
そのようなイヤな自分に対してさえも、納得させるような方法で検証する。
このような思考で研究に臨んで下さい。
これを裏返しにしたものが「科学の不正」です。
自分に甘く、自分に都合の悪い部分を無視して良い部分だけを見せる。
これは信じた他の人達の労力・時間・資金を著しく消耗させます。
もし結果的には正しかったとしても、不正を行った研究者に厳しいペナルティが与えられるのは当然ですね。

これが政治やビジネスで行われた場合・・・・、どのような惨状をもたらすか?

残念ながら予測するまでもなく、周りを見渡せば山ほど見つかるはずです。

コメント